2011年からInstagramを始めた私にとって、写真の発表はケータイの小さな画面上であり、ミニマルな表現でした。
いちばん最初に参加した写真展では、画角サイズが広がることで自分の写真の印象がどう変わるのか、ということが怖かったのを覚えています。
小さな画角の写真の印象と、プリントされ壁に飾られた写真の印象の違い。
写真展に参加するようになり、それを深く知るようになります。
カメラが一眼レフになり大きくなり、その魅力を実感したのもプリントでした。
写真が大きくなると、ディテールの美しさが目に飛び込むようになり、花びらの重なりの繊細な美しさ、色の細やかなグラデーション、光の優しい効果などがじっくり伝わってきます。
自然と鑑賞するスタイルとなります。
Instagramは世界中の人たちと写真で繋がることができる面白いツールです。
Instagramと出会わなかったら私が写真を始めることはありませんでした。
一方でInstagramがメジャーになってから、写真は鑑賞するものから消費される存在となりました。
写真が目に入ったとき、気を留めるものでなければクリックされることはないですし、
よりはっきり、くっきり、鮮やかな色使いでなければ溢れる写真の中から見たいと思わせることはできません。
写真展では1枚と向き合う時間が長く、ディテールを鑑賞できるのが大きな特徴です。
作家が何を想ってシャッターを切ったか、この作品を展示するに至った経緯は何か。
作品の背景に想いを馳せるながら、写真を見ながら自分の中にある記憶が触発されることもあります。
写真はもともとプリントして保存するもの。
デジタル時代になって気軽にシャッターを押せるようになった半面、写真と向き合い暮らすという習慣が薄れていきました。
昨年から今年の春先にかけ、私は25回の写真展に参加しました。
私の作品が鑑賞する人に与える印象や心の動きを知ること以上に
私が自分の写真と向き合い、自分と向き合うきっかけとなり、
私にとって写真を撮ることの意味を考える機会になりました。
写真展に参加するようになり、自分の写真を自宅に飾るようにもなりました。
写真のある暮らし。
プリントするぐらい気に入ってる写真ですから、
インテリアの一部となることで癒される空間となっています。
家族の写真、旅行に行ったときの写真。
思い出をプリントして部屋に飾る。
アルバムにするという楽しみ方。
SNSとは違う写真の良さを発見できます。
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