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執筆者の写真EMI KADOI

やわらかい質感が好きな理由


ぼんやりしているような、やわらかい写真が好きです。

全体にビシッとピントの合っている写真が嫌いというわけではなく、テーマによってはコントラストの強い写真も撮ります。

私の作品を以前から知っている人の中には、そういうコントラストの強いストリート写真のほうが私らしいと評してくださる方もいます。


しかし、特に花や植物を撮影するときはピントの浅い写真のほうが私らしいと思います。

どうしてこのような柔らかい写真を私らしいと思うのかは自分でもよくわかっていません。


アプローチが優しいからなのかもしれません。

ふんわりと、見る人に歩み寄りたいのかもしれません。

美しく咲く花の、その美しさを愛でる時のように、優しい目線を向けたいからなのかもしれません。


どこか一部だけ焦点を当てるほうがその美しさが際立つと思っているからかもしれません。


デジタルカメラのレンズはよりシャープに、よりクリアで精緻な表現が得意です。

グレートネイチャーなどは精緻な表現のほうが迫力ある姿を表現できます。

多大なる努力で技術が進化させ、そのような表現が可能になったのだと思います。


一方で、そんなにくっきり事実を捉えなくてもいいと思う表現もあります。

特に女性を捉えた表現などはその人の美しさにフォーカスできれば良く、リアルさは必要ないと私は思っています。


人はないものねだりをするものです。より精緻な表現に向かえば向かうほど、フィルム時代の不完全だけどぬくもりのある表現が恋しくなるものです。

そういうことも背景にはあるのかもしれません。


私自身が癒される表現であることは間違いありません。


私が今、いちばん困っていることは、自分を作品を言葉にまとめることができない、ということです。

好きな質感、好きな色、好きなテイストであることは事実なのですが、

ステートメントにはしづらくて、頭をずっと悩ませています。

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